7/26/2013

とっくの昔に、して欲しかったこと:F1の国有化

去年(2012年)の4月、わたしは、「今,緊急にすべきこと:F1の国有化」という題で、ブログのエントリーを、書きました。 これは、私だけでなく、たくさんの人が、ずーっと前から思っていることだと思います。 汚染水と白煙のニュースを受けて、今週の河北新報(東北の新聞です)の社説でも、F1を国の管理下に置くべきだと書いています。

いまでは、 「今,緊急にすべきこと」というより、「とっくの昔にして欲しかったこと」となってしまった、F1の国有化ということについて、わたした去年に書いたことから抜粋します。 状況変わっていないので、書き換える必要もない、というのが、悲しいところです。

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「今,緊急にすべきこと:F1の国有化」記事からー
 
...  政府の収束宣言を信じている馬鹿はいない。...  東電福一原発の現状は、非常に厳しい。いや、「厳しい」なんて言い方では、甘すぎるだろう。米国で言えばキューバ危機のレベルが、持続している状態だ。事故収束には、日本の命運が、かかっている。いや、北半球の命運がかかっているとさえ、いえるかもしれない。 万万が一にも、収束できないという結果は許されない。 ... F1事故は、一私企業が責任をもてるレベルをとっくに超えている。エクソンやBPが引き起こした環境汚染事故などと比較にもならないレベル である。 日本国が総力を挙げなければ、収束できないかもしれない。まず今緊急にすべきは、...  事実上お手上げ状態の 福一原発という発電所を国の管理下におき、国が事故収束の舵取りをするということであると思う。

Nature誌の投稿で、衆議院平智之氏らが、福一原発は国有化されなければ事故の真相の解明さえ進まないだろうと警鐘していたが、まったく同意する。(日本語版は、Nature Japanで、ここで、 読めます。) まずは、原発事故収束の責任は、否が応でも、日本国がとらなければならないということを自覚しなければならない。 それは、政府が、官僚 が、政治家が、ということだけではなく、日本国民が責任を負うということだ。

(4/1/2012)
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海洋汚染、高濃度の白煙など、全て、後だし。 選挙の後に、白々しく報告する東電。たいしたニュースにもしないマスコミと、気にもとめない多くの人たち。 東電や政府や政治家の責任追及もせず、安全性は2の次で再稼動したい自民党を大勝させる国。 めげそうに、なります。でも、頑張っている人たちも、実は多いので、気を取り直して現実的にとりくまなきゃね~と思います。

国有化すると、収束に失敗すれば日本国家(すなわち日本の納税者)の責任となってしまいますので、賠償がこわくて、国有化にできないのかな、それとも、電力会社を守りたい一心なのかな。収束にむけては、これからまだ何十年もかかる作業がまっています。 どういう理由あれ、東電に任せきりで、いいものでしょうか? 

 


7/23/2013

参院選東京選挙区から学ぶこと。

不本意にも、3月以来ブログを、更新してなかった。 あっという間に7月・・・

その間、あいかわらず、収束の見えないF1と、日本では今や忘れ去れたような被曝の問題、遅々として進まない被災地の復興の現状を、憂う毎日だったんですが、仕事やら子育てやらで、忙しくて時間が過ぎてしまいました。
 
今回は、選挙ついて思うこと書きます。 今回の参院選では、「放射汚染なんか全然気にしないし再稼動もバリバリやるぞ!」みたいな自民党がどこまで議席を伸ばすのか気になっていました。
 
放射汚染を心配するママたちは、選挙や政治なんて考える暇もない!というのが本音の方も多いと思いますので、今回は飛ばして下さってもいいです。 ただ、ママたちの心配を減らすための具体的な政策を実現するためには、政治とか選挙の役割がどうしても大切だと思うのです。で、有権者として、どう選挙に関わっていくべきか、東京都の参院選の経過と結果から考えさせらたことを、書きました。
 
東京都選挙区を知らない方へ:東京は5議席あります。前評判では、自民・公明・共産の3党が、上位4議席を獲得して(自民が二人,ほかが一人ずつ)、残る1議席を野党・無所属が争うといわれていました。こうした中、民主党が公示直前にそれまでふたりだった公認候補者を鈴木寛氏(現)に一人にしぼりました。(因みに、鈴木はゆるやかな脱原発って感じですかね。)しかし、公認を土壇場でおろされた民主党の大河原まさこ氏は、無所属で選挙に出ると表明したことから、民主党内の票割れは避けられない状態となり、そこへ反被曝・反原発で元俳優でワイルドカードの山本太郎氏が追い上げてくるという展開になり、注目を集めた選挙戦となりました。公示後まもなく、最後の一議席は、鈴木寛氏と山本太郎氏が争っているという見方が大勢を占めるようになりました。そういう中で、鈴木寛氏と山本太郎氏の一部の支援者たちの間で、ネット上でお互いの足を引っ張り合うようなネガティブキャンペーンが繰り広げられました。

わたしは、これを見ていて、鈴木寛と山本太郎の支援者たちの一部が、自民の思う壺にはまっていると感じ、焦燥にかられて、投票日の前、次のようにツイートしました。

都選挙戦(1) 東京選挙区では、山本太郎と鈴木寛(の支援者?)の間で、ぶつかりあってるようだけど、見当はずれだとおもう。タローとスズカンは、当選順位を争っているかもしれないが、票を争っていると思えない。お互い足を引っ張りあっても、どちらの票も伸びない。

都選挙戦(2)タローの支持者の票が、スズカンに流れる事もないし、スズカンの支持者の票がタローに流れることもないと思う。お互い足を引っ張り合っても、せいぜい、相手の獲得票数を減らすの目指すことしかできない。自分の票の増加には繋がらないと思う。

都選挙戦(3) 山本太郎と鈴木寛(の支援者)による足の引っ張り合いで、どこの陣営が恩恵をうけてる? 熱い反被曝のタローとゆるい脱原発のスズカン が、賢く連携して、自民公明票を崩し、反自民公明層の投票率をあげることで票の増加目指せば、2人ともに勝算があったかと思うが。

都選挙戦(4)自民が圧勝なら、自分だけ当選しても思うような政策は進められない。原発・被曝や改憲を憂慮するなら、熱い人もゆるい人も、同意できる部分で手も結んで自民に対抗する勢力を作るしかない。タローとスズカンの間で足の引っ張り合いしている場合じゃない。

鈴木寛氏と山本太郎氏の支持層は、基本的には重なっていないし、状況からして、お互い足を引っ張り合うネガティブキャンペーンがあまり得にならない---  恐らく分かっていても、結局、野党側(山本・鈴木陣営だけでなく、ほかも含めて)が参院の過半数をかけた選挙という要の時でさえ、賢く連携して与党と戦うという形ができなかったところに、日本の現在の政党政治の限界を感じました。(それぞれ事情があるので表だって手を結ばないとしても、です。) 一党主義の共産党は別としても、自公に反対する勢力が、連携できなければ政権が握れるわけもない。つまり、与党にブレーキをかけるのが専門の野党になるしか道が残ってないって事です。それでは、自民主導の政策の調整ぐらいはできても、転換は出来ません。

で、ご存知の方も多いと思いますが、東京と選挙区の結果は、無所属の山下氏が、4位で当選。自民党の武見敬三氏が5位当選で、民主党の鈴木氏が6位で落選でした。自民に勝って欲しくないわたしとしては、惜しかったな、自民の武見氏を追い落とせたらよかったのに、と思ったわけです。

有権者は、賢くならなければならないと思います。言い方はわるいですが、わたしは、政党や政治家は、自分にとって重要な政策を実現させるための手段と割り切って考えるのが、良いと思ってます。でないと、政治家がの政治家自身が重要だと思う目的ために,有権者が利用されるという事態になりかねません。

さて、再稼動の意欲を燃やす自民党が、両院で過半数を超えたことでめげますが、あきらめるわけには行きません。原発反対・被曝心配の普通の市民にできるのは、支援する野党の議員がいるなら、彼らに、自民にブレーキをかけるように働きかけ続けることだと思います。また、与党である自民党にも、積極的に働きかけることも大切だと思います。一番手っ取り早いのは、強い与党が心変わりすることですから。そうなるために策ってなんだろうって、考え中です。

最後にひとこと。 東京都参院選では、議席争いは鈴木氏と山本氏の間という不確かな情報にのせられて、 双方の支援者の一部同士が、お互い足の引っ張り合いをしているうちに、自民二人が当選。 それでも、山本氏の支援者の中には、当選後も、鈴木氏批判を続けている人もいるようですし、鈴木氏の支援者の中にも山本氏の当選がゆるせないような批判を書いている人たちもいるようです。 仲良くしなくてもいいけど、もっと狡猾にならなきゃ、とおもいます。結果的には、自民に手玉を取られた状態じゃ、意味が無いと思うのです。 自分の支援する政治家が勝った負けたよりも、自分にとって重要な政策が実現したかというを、もともとの目的見失わないうようにしたい。 今回の東京都の選挙をみて、自分にいいきかせました。

3/20/2013

情報と勇気

久しぶりに、ブログ更新です。

年明け以来、書いてなかったのは、忙しいこともありますが、何を書いていいかわからなかったからです。書くからには日本のネット上であまり流れてないような情報を流したいと思うのですが、なかなか書きたいと思うものが無かったのです。もちろん、日本では流れていない情報は山ほどあるのですが、原発事故2年がたち、日本の住民(とくに忙しいママたち)が知るべき基本的な情報は、ネット検索すれば見つかるようになりました。

この2年間で、311以前には耳慣れれしなかった「セシウム」「半減期」「ベクレル」「シーベルト」などという言葉が、日常会話の中にも出てくるようになったし、「内部被曝」と「外部被曝」の違いなども、多くの人が知るところになったと思います。福島を中心に関東東北の河川や海の汚染、農畜水産物の汚染、など、広域汚染の実態も数字として明らかになっています。それなのに、日本では、相変わらず、被曝など気にしないかのような生活をしているが多いと聞きます。 

私は、これまで、被曝防護を積極的の行っていない人たちは、汚染状態や被曝の危険についての情報不足だとか、対策を知らないからだと思っていました。だけど、最近、実はそれだけではない、と思うようになりました。必要とされているのは、「情報」だけではなく、情報を行動に移すための「勇気」、なのではないかと。  

特に、忙しいママたちは、この2年間、ひととおり情報は集めたんだけど、危機感の維持するのも億劫になってきたし、表だって被曝をさける行動(食べて応援しないとか、風のある日にマスクするとか)をしにくい、という方が多いのではないかとおもいます。

で、これからは、情報だけでなく、情報を活用する勇気をもちたいママたちを、応援するためにも
書いていこうかとおもいます。 








1/09/2013

新年にあたって。

宮城県に七ヶ浜という町があります。この町に住む人から聞いた話です。

七ヶ浜は、風光明媚で名高い松島と仙台塩釜港との間にある、太平洋に面した町です。七ヶ浜という名からも想像できるとおり、東北大震災以前は、漁業とマリンスポーツが売り物でした。

2011年3月11日地震と大津波によって、この町の海岸地区は壊滅的に被害を受け、犠牲者も出ました。多くの人が、今も仮設生活を続けています。

この町で、暮れが迫った去年の12月、東北大学の海洋生態学の研究者を講師とした講演会がありました。町主催のこの講演会は、放射能が心配される中、海産物を食べても大丈夫か、どんな事に注意すればいいのか、といったテーマで開かれました。津波の被害で船も港も損害を受け、本格的な商業漁業に向けては、これから復旧に向かうという状態の町ですが、それでも、自分たちの食べる分くらいは、釣って食べることもあります。そうした、地元で獲れた海産物が食卓に並ぶことも少なくないこの町で、この講演会は、台所を預かる主婦を対象にしていたようでした。が、講演会には、かなりの数の町の漁業関係者も聴きに来ました。その多くは、東北大地震・津波の被害者でもあります。

七ヶ浜沖では、2011年に一度ほど捕獲検査の結果が発表されたようですが、公式な情報がほどんどありませんでした。その際、七ヶ浜沖でも、ある程度放射汚染された魚が捕獲されたことは知られています。これから復興に向けて安心して漁業が営めるのか。釣った魚を子供に食べさせても大丈夫なのか。震災以来、なにが確かな情報なのか判断するが難しい中、噂や憶測が飛び交い不安に思ってきた人も多かったのでないかとおもいます。町主催で、東北大学の教授がデータを持ってきてくれるらしいということで、確かな情報を求めて参加されたのではないでしょうか。

講演会の内容は、聴衆者にとっては、衝撃的であったようです。ネットなどを駆使して、公開されている情報をつぶさに調べて見当がついていたというのは、この田舎町では少数派でしょう。東北大の教授は、仙台湾も福島沖と、そう変わらない程度に汚染されていると報告しました。放射能汚染は、一年半以上たち減る方向にあるのではいう希望に反し、実は高まっているということを、震災以来の仙台湾で調査続けたデータを示しながら話されました。現在、セシウムは海底の泥土20センチほど浸透しており、この汚染はこれから20-30年は減少しないだろうということ。魚の汚染に関していえば、個体差が激しく、同じスポットで同時に捕獲された魚でも、全く汚染されていないものあれば、規制値を超えて汚染されたものもある。個体別に当たり外れがある中、一匹でも高汚染のものが検出されれば、それだけで市場価値が下がり、商売にならなくなる。七ヶ浜沖は、カレイやアイナメなど海底近くに生息する魚がよく獲れることで、知られているのです。美味で名高く高級魚とされるナメタガレイなどが駄目となれば、この町の漁業の復興はどうなるのか。

それに対し、教授は、海面近いところではかなり汚染も低くなっており、のりやわかめなどの海面近くでの養殖などなら大丈夫であろうと説明されました。ただし、台風などで海があれ海底の泥土がかき回されると、放射性物質が海水に舞い海藻に着いてしまうので注意が必要ということ。いずれにしろ、魚を食べるなら、海面近くで生息するもの方が安全だということ。

この話を聴いた漁業関係者の人は、沈んだ顔をしていたそうです。福島から北上し、石巻、牡鹿半島に続く広大な仙台湾一帯で、岸沿部を中心に汚染されているという事実。東電福島第一原子力発電所から、100キロ北で大丈夫だろうと信じていたこの町の海が、すでに放射能にまみれているということ。ショックだったようです。それと同時に、聴衆者の中には、なぜこういうデータや情報が、これまで現場の漁業者に知らされなかったのか、憤りや疑問を感じる人もあるようでした。

そして、これからどうするのか。こういう話は風評被害につながり魚が売れなくなるから、あまり大騒ぎすべきでないという意見もあれば、東電で賠償を求められないかという意見もある。沿岸・近海での捕獲業をやめるのか。のり養殖などに切り替えられるのか。職替えするのか。釣った魚を食べてもいいのか。だれか、補償してくれるのか。泣き寝入りするしかないのか。あまりにも、課題が多すぎます。いっそ、知らなかったことにして、震災前の日常を取り戻すことに精を出す選択をする人もいるかもしれません。2013年、まだ津波の爪あとも消えていない七ヶ浜で、どう生きていくのか。先は見えません。

津波は、大切に作り上げてきたこの町の過去を破壊しました。原発事故は、これから作り上げていこうとする未来を奪います。この町でも、原発事故が引き起こしたとてつもなく深刻な状態が、やっと、分かり始めてきたところなのかもしりません。おそらく、これから、放射汚染の被害の深刻さがあらゆる面から、分かってくると思います。陸地の汚染ばかりではありません。海洋の汚染もさらに深刻です。汚染の実態が周知されるようなったとき、日本がどう対応するのか。 それは、なおさず私自身がどう対応するのか、という問いです。 ひとりひとりが、どう考え行動するかで、日本の将来が左右されると思います。 ひとりじゃ何もできないし、どうにもならないとあきらめないで、出来ることをすればいいのだと思います。 がんばりましょう。 

2013年が、よいお年になりますように。