5/22/2012

気が滅入るニュース(補足)

やろうと思っていたICRPの更新が、どんどん遅れてしまって、いやーブログも続けるのって大変。日本語タイプするのが遅いのも問題かもしれません。 今ドラフト中です。 

ところで、最近、瓦礫拡散とか、給食の汚染とか、首都圏でも見つかっている「黒い物質」とか呼ばれている高濃度の汚染されてた土壌の話題やらで、F1からちょっと気がそれていたのですが、またまた厳しい現実をつきつけられるニュース。 今更驚くこともないのかもしれませんが、1号機も、似たような状態であると先日判明。(下記のNHKニュース参照。) 

3月に2号機のニュースが流れたときも、心が萎えそうになりましたが、ふたたび頭の中が真っ白状態になりました。 ほんとうに、いつ、どうやって収束できるのか。 水漏れているといいますが、2号機とも合わせて、どれだけこれまで漏れたのか、そして、これからいつまで漏れ続けていくのか。 現場関係者・作業員の方たちが、思考停止ならないで、ひとつひとつ出来ることを確実に進めていってくださっていることを祈るしかない思いです。

それにしても、ほんとうに、一年以上たって収束の見通しも立たない状態で、東電とその下請けにまかせていいのでしょうか。日本の総力を上げて収束に向かわなければならないのではないですか。4号機や共同プールも危険というようなニュースも、一部でいわれています。すぐにでも、F1原発を国有化して、国の権限で、国内外から必要な人材をかき集め、技術協力の体制を作らなければなりません。必要であらば、海外からの援助も要請しなければなりません。収束させる一方、海洋・大気汚染をいかに早急にコントロールするかなど、課題は山積みです。(忘れそうになりますが、事故以来F1は毎秒休むことなく放射物質を新たに大気に放出しています。東電によると、今でも毎日新たに2.4億Bqほど放出しているそうです。海洋の方は、不明のようです。漏れた水がどうなっているのか気になります。)

日本には、優秀なエンジニアや科学者が大勢います。技術的なノウハウをもった企業や研究機関もあります。東電がいくら大会社で下請けにも優秀なメーカーがあるといっても、やはり一私企業でしかありませんから、日本のもてる力を最大に活用するには限界があります。ましてや、利権によって動くのが企業です。だからこそ、政府の監視下にあるわけですが、国策として原発の収束を最優先させるためには、国が更に強い指導権をもって、事に当たるしかないと思います。原発を国有化して収束の責任をとる事になれば、相当な経済的リスクも負うことになり、政府や政治家は、躊躇しているのかもしれません。しかし、収束には何十年もかかるのは必須です。10年短縮できれば、それだけでも、F1原発の国有化は意味があることだとおもいます。  

F1を国有化して、国力をあげて収束を急ぐのは、未来の日本の子供たちのためです。 そのためには、東電や原発利権者がそのコストをしっかり払ってもらうのはもちろんですが、私たち大人も、国民として経済的政治的リスクを負い、場合によっては膨大な代価を払うことになるかもしれません。 わたしは、そのリスクとコストは、受け入れなければならないと思っています。すでに、私たちの子どもたちの世代が、原発を収束を見届けなければならなくなっています。子供たちに、それ以上のつけを回すことは、してはいけないとおもいます。

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1号機も格納容器から水漏れか(522 18:30更新 NHK Online)

東京電力福島第一原子力発電所の1号機について、独立行政法人が解析した結果、格納容器の中にある水が想定より大幅に少ないおよそ40センチしかたまっていないとみられ、容器の下のほうから水が漏れている可能性があることが分かりました。2号機に続いて1号機でも容器の下のほうからの水漏れの可能性が出てきたことで、穴を発見して塞ぐ作業が、より困難になると懸念されています。
 
独立行政法人、原子力安全基盤機構が1号機の格納容器の中の圧力などをもとにコンピューターで解析した結果、内部の水が東京電力が想定している2メートルより大幅に少ないおよそ40センチしかたまっていないとみられることが分かりました。この高さには、格納容器と下にある圧力抑制室をつなぐ配管があり、解析では、この配管に直径2センチ程度の穴があって、水が漏れている可能性があると推定しています。この結果について、東京電力は「1号機の水温は30度程度と低く抑えられていて、格納容器の中の核燃料は冷やされている」と説明しています。福島第一原発では、ことし3月、2号機でも東京電力が内視鏡による調査をした結果、水が60センチしかたまっていないことが明らかになっています。 東京電力は、廃炉に向けて格納容器を水で満たし、メルトダウンで溶け落ちた燃料を取り出す計画で、2号機に続いて1号機でも容器の下のほうからの水漏れの可能性が出てきたことで、穴を発見し塞ぐ作業がより困難になると懸念されています

5/09/2012

ツイッターまとめ

最近Twitterを、始めました。 いつまで続くが分からないけど。 ツイッターしたことで、このブログと関連事項について、時々まとめます。(ICRPの勧告書の更新、今週頑張ります。)

最近のまとめ:

日本政府は、当然のことながら、国民(特に子供や胎児)を被曝から守る対策を十分 採ってくれている、と信じている日本人外国人が多いのではないか。日本政府が適切な対策を取らないなんて、それこそ「想定外」のこと。でも1000年に一 度の「想定外」も起こりうると、去年学んだはず。
流通が発達した日本では、内部被曝のリスクを極力少なくするためには、国レベルで包括的な政策が早急に必要。 既存の縦割り行政の枠で取り組める問題ではない。

本来なら、内閣に、緊急被曝対策室でも設立して、縦割り行政を超越できる権限を持たせ、取り組まねばならない問題。でも、現実は、政府が率先して放射汚染が懸念される瓦礫の拡散など奨励しているし、すごく理解に苦しむ。


1)バークレー大の原子化学専門の教授に、セシウムが500Bq/kg程度と土壌の地域に一月ほど帰省する予定だと話した。その会話で、興味深かったこと。

2)彼の私へアドバイス。外部被曝より内部被曝を心配すべき。土壌など環境からの放射線を無視するべきではないが、飲食や呼吸のより放射性物質を体内に取り込む方が危険。


3)仮に日本で飲食するものが全て規制値の100Bq/Kgとして、彼の試算では、3週間程度の滞在なら、体内にあるカリウムと比べても、被曝量はさほど高い値にならない。だから安心という事ではなく、その程度のリスクという事と、彼はいう。

4)でも100Bq/kgという規制値自体が守られているわけではないし、やはり心配です、と私が言うと、理論派の彼はこう返した。たとえその数倍であっても、3週間程度の滞在によるリスクはたいして変わらない。あなたが、そこに10年も住むいうなら別だが。

5)「そこに、10年も住むというのなら別だが。」 この言葉に、はっとさせられる。その地に既に一年、そして、これからもずっと住み続けて子供を育てようとしている人たちもいる。 私の大切な人たちもいる。

(i) バークレー大の原子化学専門の教授との会話の続き。私:子供がよく飲む牛乳も、セシウム検出されても基準値(50Bq/kg)以下なら流通しているし、ス トロンチウムも検査してない。少し心配。すると、彼:ちょっと待て。牛乳のストロンチウムの検査を日本政府がしていないはずが無い。 

(ii) ストロンチウムはカルシウムと擬似しているため、成長期の子供の骨に取り込まれやすい。子供がよく飲む牛乳のストロンチウムのテストは米国でもする。事故後の日本がしていないはずがないと、彼は言う。「あなたの情報不足でしょう」といわんばかりに。

(iii)  私:仰るとおりです。だけど牛乳のストロンチウムの検査は、日本政府は本当にしていないのですよ。(または発表してないだけか。)基本的にセシウムだ け。ストロンチウムによる内部被曝を心配する一部の市民が声をあげているようですけど、検査してないのが実態です。

(iv) 私の返答に、原子化学を専門とする教授は、言葉につまって、信じられない という顔をして、吐き棄てるように一言、”I am flabbergasted.”  (flabbergastedとは驚いたという意味ですが、本当に意外で思いもよらなかった、って感じの言葉です。)

(v) 成長期の子供が比較的大量に消費する牛乳は、セシウムが検出された時点で、ストロンチウムも出ているのか、出ているとしたらどれだけか、検査して、必要あれば適切に対処するのが常道。日本政府がその検査さえしていないとは、彼にも「想定外」だったらしい。

 番外: ツイッターには、書かなかったけど、 この教授は、反原発でもなければ推進派でもない。感情に流されずデータ重視。被曝の警鐘を鳴らす­­­というより、被曝のリスクは無くすのではなく管理するものと淡々と語るタイプ。 そんな人でも、福1原発事故をみて、内部被曝を避けるべきとか、子供が良く飲む牛乳のストロンチウムは検査するべきとか、常識レベルのこと、と思っているわけです。 彼は、政府(行政)が動かないなら、国会(立法)が、こういうことについて追求しないのか、といいますが、日本の政治の実態からすると、あまり期待できそうもないな~。 やはり、まず、市民が声を上げていくことで、政治家を動かす(または、動かない政治家は落選させ、動く政治家を当選させる)という、民主主義国家の基本に戻らないと,先に進めないだろうと思います。