8/30/2011

おしどりマコさんから学んだこと

以前紹介したおしどりマコさんは、福島で3月下旬から4月上旬にかけて行われた小児甲状腺検査について、鋭く追求なさってきたのですが、これに関連したことについては、ちょっと書いておきます。 割りと見過ごしやすい点について。。。

3月の事故当初、大量の放射性ヨウ素131が、放出されましたが、半減期が短いため、今は環境の残っている量は検出されないほどに、少なくなったいる。 と、いうことですが、これは、ヨウ素は、もう少なくなったからよかったーという話では、無いのです。 でも、どうも多くの人は、少し勘違いしている。 ヨウ素は環境から、ほとんどなくなったから、もう、問題じゃない、では、ないのです。 

問題は、とんでもなく大量のヨウ素が東日本中にばら撒かれ、とんでもない数の人たちが、知らずに被曝したってことです。 それでもって、トンでもない数であろうとは、想像できるのなけど、一人ひとりの個人が、じゃあ実際被曝してしまったかについては、今簡単には測定できない。 少なくても既存の、体内今ある放射性物質を測るというやり方(ホールボディーカウンターとか尿検査)なんかでは、値はでてこない。 だから、今頃検査して、ヨウ素がでなかったので、 ヨウ素の分は、内部被曝については、無かったか少なかったってことにされたりするかもしれない。もしくは、測定できないので、ヨウ素で被曝したとはいえないと、結論づけられてしまう。 よく分かってない人は、結果だけみればヨウ素が出てなかったと安心してしまうかもしれない。  これを、おしどりマコさんは、警告しているとおもうのですが。  

今はもう、身体からヨウ素が検出されないから安心!という、わけではないのです。 なぜかっていうと、とんでもない大量の放射性ヨウ素で、内部被曝してしまった人たちは、すでに、相当DNA(とくに、甲状腺で)を傷つけられてしまったことが、心配されるからです。 これから、何年もして、2011年の3月に傷つけられたDNAが原因で甲状腺障害や癌をわずらう人が多くなるだろうと予想されているのです。 でも、個人的に、被曝したかどうかの、記録がなければ、被曝が原因とは、認められないでしょう。  また、被曝の記録があったら、さらにきめ細かく定期検査をするなどの処置もとられるでしょうが、記録がなければ無視されるでしょう。

おしどりマコさんは、じゃあ、他のやり方で、被曝量の推定だけでも出来ないのか、しないのかってことも、質問追求しているようなのですが、 どうも政府は、あてにも出来そうもない。 将来的には、DNA自体を検査するって言うのもありかもしれない。 (児玉氏が、これ関連のことを言及してました。被曝による特有の染色体異常のよって甲状腺癌になる過程が明らかにされた。) でも、隠蔽ばかりしている政府には、期待できない。測定できませんっていう方が、何かと都合がいいのだから。

本当に悲しいことだけれでも、多くの東日本に住んでいた人は、もう多かれ少なかれ被曝してしまったのだとおもいます。 夏3週間東京と宮城ですごしたこの黄金熊だって、少量の被曝はしたに違いない。でも、三月に、東日本にいて、マスクもせずに外を出回っていた人とは、比べ物にならないだろう。 無防備で、吸い込んでしまった放射性ヨウ素131。 その分については、もう手遅れなのです。 ここで、頭にくるのは、水素爆発は避けられなかったとしても、初期とヨウ素からの吸引による内部被曝は十分避けられたはずなのです。 でも、政府は、被曝から国民を守る選択はしたなかった。 直ちに影響はないとだけ、オウムのように繰り返していた。 ほとんど犯罪だよね。

8/24/2011

フクシマ = ヒロシマx168

福島第一から、漏れ出たセシウムは、単純比較すると、広島原爆の168個分だそうです。  以下 東京新聞ネット版2011年8月25日 07時08分より。

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政府が、東京電力福島第一原発の1~3号機事故と、一九四五年の広島への原爆投下で、それぞれ大気中に飛散した放射性物質の核種ごとの試算値をま とめ、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出していたことが分かった。半減期が約三十年と長く、食品や土壌への深刻な汚染を引き起こすセシウ ム137の放出量を単純比較すると、福島第一原発からの放出量は広島原爆一六八・五個分に相当する。 。。。    セシウム137の放出量は、福島第一原発1~3号機が一万五〇〇〇テラベクレル(テラは一兆)、広島原爆が八九テラベクレル。このほかの主な核種では、福 島事故で大量に飛散したヨウ素131(半減期約八日)は、福島が一六万テラベクレル、広島が六万三〇〇〇テラベクレルで、福島は広島原爆約二・五個分。半 減期が約二十八年と長く、内部被ばくの原因となるストロンチウム90が、福島が一四〇テラベクレル、広島が五八テラベクレルで、広島原爆約二・四個分とな る。
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黄金熊の感想: もし、3月11日以前に、広島原爆級並みの原発大事故が首都圏から200キロ圏内に起こる危険があるといわれたら、きっと、国民は悲鳴を上げ、すべてをなげうって対策を練れと政府に迫ったと思うのだけど。。 しかし、原爆の何倍ものの超大惨事が、実際に起こってしまった現在、狂ったように冷静ー に、はたから見える。 あきらめがいいのか、現状を認識してないのか、それとも、みんな心の中では正しくパニックしてるけど表にださないだけ?

因みに、東京新聞は、この報告に対する政府の見解をこう付け足している。


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ただ、政府は特別委に対し、福島事故と広島原爆との比較自体には「原子爆弾は爆風、熱線、中性子線を放出し、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの。放射性物質の放出量で単純に比較することは合理的ではない」と否定的な考えを示している。
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ヒロシマとフクシマは、比較するなってことらしい。 さすがに、「ただちに、健康に影響がでる値ではない。」っていつもの注釈をつけくわえるのは、はばかれたのか。 ヒロシマより、悪くないとでもいいたいのか。それで、国民が安心すると思うのか。 思うわけないよね。 つまり、国民を馬鹿にしているってことだよね。 


8/22/2011

ベイアリアの線量

先週は日本から家族が来てたので、ブログも仕事もお休みとした。 日本に私が持っていったガイガーカウンターをもってきたので、家の周り(East Bayです)、それから、あそびにいった サンフランシスコやサンタクルーズも、色々測って見た。  その結果は、このベイエリアの空間線量は、仙台と同じくらいか、かろうじて、やや低めぐらい。 もともと、大陸は自然線量が高いと聞いていたが、日本は、やっぱり、もともと非常に低かったってことなのだね。 同じガイガーカウンターで、測っているので、絶対値はどうか分からないが、相対値は、結構信頼できると思う。 ちなみに、このガイガーカウンターで、ホットスポットといわれる柏市や福島中通り(福島市郡山市)ではかったり、実家の側溝で、はかったりもしたが、ちゃんと高く反応しました。(福島中通りはやっぱり大変高かった。高速のサービスエリアでは赤い 即その場を離れろという警告値が出ました。このガイガーカウンターで、測ったなかでは、やはり、そこが一番高かった。)

ベイエリアの、自然線量って事故後の東京(ホットスポット以外のところ)より、高いようです。 でも、内部被曝の危険を考えると、そう線量が高くないけれど、日本のほうがやっぱり危ないってことでしょう。

ところで、福島中通り並みに、線量と高いところが、もうひとつありました。それは、太平洋上高度30000フィートで飛ぶ飛行機のなかです。 ガイガーカウンターは真っ赤かになる値だったそうです。 パイロットとか添乗員とか、長期的には、健康に問題ないんでしょうか。 宇宙からの放射線は、危険度が、違うのかな? でも、放射線って、DNAを傷つけるってことでは、同じなんじゃないのかなーって思うのだけど。 少し、調べてみます。 だった、放射管理区域で働いている人並か、それ以上の、外部被曝の危険があるところで働いているってことになるのだと思うのだけど、航空会社の社員って、被曝検査なんてしてるんでしょうか?  それに、こんなに線量が高い、しかも長時間乗ることになる国際線なんかに、赤ちゃんや妊婦も、のせてますよね? たいじょうぶなのかな?















8/09/2011

フクシマ第一原発付近の復興への手がかり

この、ビデオに、チェルノボリ原発事故のあと、旧ソ連の対応から、いろいろ考えさせられることがあります。 今まで、私が知らなかった事、たとえば、事故後2年で原発難民となってしまった住民のために新しい町をつくったとか。 福島で、本当に帰れない住民のために、日本も考えなければいけないことではないのか。 



8/06/2011

おススメ! おしどりマコのリポート

最近、黄金熊が気に入ってるフリーランス記者は、おしどりマコさんです。 彼女の記事は おしどりマコケンの脱ってみる?という、このサイトでみれます。 

ふざけたサイトのようなですが、中身は、なかなか。おしどりマコさん 本業は吉本興業のタレントだそうです。 芸能界にまったく疎い私は、芸人としてのおしどりマコさんは、全然しらんのですが、彼女のリポートすごくいいです。 (なぜ芸人の彼女が、記者として、東電や政府の会見に顔をだせるようになったかは、彼女のサイトで読んでください。その話も、日本のジャーナリズムのことが、分かって面白いです。)

彼女は主に原発事故の収束についてと、汚染被曝にたいする政府の対応などに焦点あてて報告しています。何がいいって、他のところではない記者会見の情報が、なるほどねーと よーくわかるように、しかも、面白く説明してあります。さすが 芸人! でも、けっして、ふざけているのではなく、 彼女が、大変似よく勉強なさって、記者会見に臨んで質問してるのも、よくわかります。 ふつうの人が、ぜひぜひ、聞きたいってことを、追求してくれいるのも嬉しい。  

まあ、人を笑わすのって、本当に難しいわけで、一流のコメディアンといわれる人たちは、実はとても頭が切れる方が多いんじゃないかなって、常々おもっていたのだけど、おしどりマコさんの記事はまさにそんな感じ。 アメリカの、痛烈な政治風刺で人気を得ている ジョン スチュワートなんかも、腹をかかえて笑わせる一方で、彼の明晰なアナリシスとの社会問題にたいする真摯な姿勢が、見え隠れするからこそ、視聴者の絶大な支持を受けていると思う。  おしどりマコさんも、現状を憂いをいだいていて、何が起こっているのか知りたい知らせたいという、そういう報道の基本みたいな気持ちで、記者まがいのレポートを書いてるようです。 (っていうか、立派な記者です。) 、自分自身が見たこと聞いたことを自分の言葉でマコさん自身の観点から書いてらっしゃるようで、とても新鮮です。 本業が、ジャーナリストでないから、ジャーナリストの観点ではないとこが、いいです。

8/01/2011

黄金熊からの提案 改訂版

先日の言及した児玉氏(東京大学アイソトープ総合センター長)は、7月27日の衆議院厚生労働委員会の参考人として発言されたなかで、日本の既存の技術を駆使して放射能汚染対策に国を挙げて取り掛かるべきだというような事をおっしゃってました。黄金熊は、大拍手で、まったく同感ですと声をあげたいです。

今日本では、原発を廃止か継続かという選択を含めた長期的なエネルギー政策の問題、原発事故による被害に対する補償の問題、放射被曝の安全基準の問題など、課題は、山ほどあります。どれも、大切な早急に取り組むべき課題です。が、それと同時に(というか、それ以前に)、まずは、やるべきことがあるだろうと思います。ふつうの国民も、そう思っている人が多いのではないのかしら。だから、児玉氏が、自分たちの気持ちを代弁してくれたようなの怒りと訴えに共感しているだとおもいます。その やるべきことというのは、被曝に危険にさらされている国民(特に子供や妊婦)を守るということ、環境汚染への対処です。 

で、 少し前に書いた黄金熊のアイデアを、ちょっと手直してまたここに提案します。


提言:放射物質を生活環境(空気、土壌、河川、海など)から取り除くための除染技術、また、放射性物質の効果的な処理にかかわる技術開発や基礎研究を支援するためにこれまでにない大規模の公的基金(または官民共同で財団)を早急に立ち上げる。 世界に先駆けた除染技術の開発という目標を、かつての米国のアポロ計画のような位置づけをして、これによって日本の技術革新をすすめ、汚染され環境の回復のみならず、国際社会での日本の地位の向上をはかる。

 基金の運用の目的は二つ。 ひとつめは長期的に新しい技術知識の開発をすることです。そのために、放射汚染の解決につながる基礎的研究(または、時間のかかる応用研究)にたいして恒常的に資金を供給する。これまで放射汚染による環境被害についての研究などが、金銭的にも構造的にも十分に支援されてきたとは思えません。この状況をがらりと変え、多くの優秀な人材が放射汚染の解決につながるような研究に携われるようなサポートが新たに必要だと思います。


ふたつめの目的として、短期的に 既存の技術知識の実用化を狙います。そのために、除染のための技術開発コンテストをスポンサーする。ある具体的なゴールと提示して(たとえば、100万ベクトル/㎡のセシウムの汚染された土壌を短期間で1万ベクトル/㎡以下まで落とすなど)、アイデアを、公募する。実用化が期待できそうなものに研究費を援助する。そして一定期間以内に、そのゴールを達成させたグループや個人に賞金をだす。(X Prizeのようなアイデアですが、 競争だけでなく技術革新を促進するためのコラボレーションを支援する。そのコラボレーションを促進するためのプラットフォームも基金の活動として立ち上げる。
 で、黄金熊は、このようなアイデアをアポロ計画のように、国の技術革新の旗印にすれば、いいと思うのです。このような技術開発は対する投資は経済を活発化する役割をはたすことにもなります。日本が放射能除染技術のリーダーとしての地位を確立することが出来れば、国際社会での日本の戦略的な立場が優位になることとおもいます。いろいろなアイデアは、既に、民間でも研究機関でもあります。大企業や有名大学だけではありません。でも、先立つものがないと動けないっていうのも、実情だとおもいます。 だから、そこで基金が必要となるとおもう。


信用問題がありますから、原発村の人たちには、この基金の運営には携わらせない。(でも原発村の学者のかただって、このような基金の支援を受けて、汚染問題を解決するために研究へと転換していただければ、大いに結構です。)
 
放射線汚染の問題と正面から立ち向かうことについては、国民のコンセンサスとサポートを幅広く得られんじゃないかとおもいます。 右よりのひとも、左より のひとも、日本国民は海の幸山の幸豊かな日本の国土から、放射能汚染をなくしたいという思いで、ひとつになれるでしょう。未曾有の危機をチャンスに変えるぐらいの前向きの姿勢で、国を挙げて、除染に取り組み取んでいってほしいです。