9/08/2011

ありえない現実

少し前にかかれたものだが、救援小児科医の山田真氏の書いた記事を読んだ。 山田真氏は 「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」の 代表。医療被曝問題に長く関わった小児科医で、八王子中央診療所理事長であられるらしい。

彼は、これまで幾度か「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」主催の福島での健康相談会に協力なさったのですが、その相談会にきた福島の親御さんたちについて、書いています。福島の一部では子供の被曝を心配している親に対しての風当たりはかなり強く、個人のレベルでは、なかなか声を上げるのも難しい、ということらしい。

以下、少し長いですが 山田氏の記事からです。

話を沢山聞くうちに全く予想しなかった事実に出会う。それは例えば「学校給食の食材はすべて福島 産のものを使っている。福島産でない、安全な地域でとれた野菜を使ってほしいなどと要求するとバッシングされる。」「保育園で福島産の牛乳を飲んでいる。 他の牛乳に変えてほしいと言ったら怒られた。では、うちの子は飲まないようにさせてくれと申し出たが一人だけそんなことはできないと言われた。」

もともと、福島ネットワークからわたしに「一度福島に来てほしい」と言われた六月のはじめ、「福島市内のお医者さんに子どもを連れて行って、〝鼻血がよく 出るが放射能のせいではないか〟などと相談すると笑いとばされてとりあってもらえない。だから来て相談に乗ってほしい。」と聞かされていたから「福島市内 のお医者さんの多くは、〝放射能は心配いらない。気にしすぎはかえってからだによくない。〟と言って口裏を合わせることにしたのだろう。 それは原発安全神話が崩壊したあと新たに放射能安全神話を作り出すために医者も協力することにきめたということなのかな。」と思っていた。 しかし、現実はそんな範囲にとどまるものではないようだ。福島市があるいはもしかすると福島県全体かも知れないが、「福島県は放射能に汚染された地域」と いうレッテルをはられないために、放射能は安全、福島は安全と声をそろえて言わなければならない状態に追いこまれているように私には見えた。

福島産の野菜は安全だということを自ら示すためにあえて子どもたちにも地産の食材を与えているようにも思われる。そして「それは危険だ。やめた方がい い。」と異議を唱える人は地域でバッシングされるから口には出せない。そういうことが地域の中で人間関係をこわしたり家族の中に対立を持ちこんだりしてい る。そんな切ないことが福島では起きていて、そうしたことは報道もされないから福島県外の人はほとんど知らない。

「子どもを放射線から守る」と銘うったネットワークを立ち上げた以上、「福島の子どもにはせめて安全な食 材を食べてもらおう」とアピールする責任がわたしにはある。福島の野菜などは国が買い上げたり国会の食堂で使われたり、内部被曝をしても、まあ安全と言わ れる60歳以上の人たちが食べたりするようにすればよい。既に相当な量の被曝をしている福島の子どもたちが率先して〝汚染の可能性の強い〟食材を食べてい るのは、低線量被曝の人体実験をしているようなものではないか。
 
さて、相談会はその後2回行われたが3回目の7月の相談会では「この相談会に来たことがわかると地域でバッシングされる。」とおびえながら語る人もいて一段と厳しい状況であることがわかった。福島を知り福島のことをみんなで考えてほしいと切に願う。


山田氏が書かれているとおり、あまりに切ないです。こんな現実ありえない。黄金熊も小学生の親です。 この記事よんで涙がでてきました。  どんなに周りに言われようとも、自分と子供のためには捨て身で、立ち向かえという人もいます。 でもそうできない事情もあります。そうできない弱い人だっています。 子供のために立ち上がらない親がいけないというような次元の問題ではありません。人間は社会的動物です。すべて自己責任だという人もいるでしょうが、そういう人は、とても認識が甘いとおもうのです。一人で生きられる人はいませんから。 これぞという命にかかわる緊急時には、組織や個人の諸事情やキャパシティにかかわらず、人を、特に子供を、守るという機能が働けなければ、その社会は、健全とはいえないでしょう。 

こんなありえない、あってはいけない現実がある日本、おかしいです。 ほんとうに、おかしいです。 何かが、とんでもなく、狂っています。  少しづつ、危機意識を持っている人は増えているとおもいますが、良識のある社会のリーダーといわれる人たち、または、オピニオンリーダーが、やはり、矢面にたたなければならないとおもいます。彼らには 歴史と、自分の良心が審判者となるでしょう。


子供のことを心配しているお母さんお父さん。 がんばってください。 

わたしも、私の出来ることをさがします。 ひとつは、躊躇せずに、相手が不愉快になろうがなかろうが、気にせずに、 放射能汚染怖いね。 原発収束してないね。日本政府東電の対応問題だらけだね。 と、話題にすることです。 これくらい、黄金熊でも出来ます。 放射能汚染問題だーという人が、増えていくことが肝心だとおもいます。

現実を直視しなければ、解決策だってはじまりません。 エリートが 無知な国民のために、陰で、政策を操り社会の繁栄をささえるというような従来のやり方では、この未曾有の危機は乗り越えられないと思います。 正面きってこの問題に取り組まなければ、本当に日本は終ってしまうかもしれないと、黄金熊は、そう思いはじめました。 まだ、まにあう。 危機感をもって、恐れずに、この問題に国を挙げて取り組めば、解決できると確信してます。