9/21/2011

忙しいママにもわかるICRP勧告書 -その1

 汚染地で、これから、ながーく生きていくことになるかもしれない日本人の必読書を紹介します。


ICRPのPublication 111いう、勧告書です。



ICRP は、International Commission on Radiological Protection(国際放射線防護委員) のことです。 この機関から出されたPub.111 という勧告書の暫定翻訳版が、日本アイソトープ協会のサイトにあります。 (日本語版は、ここからここからPDFファイルとして、ダウンロードできます。) 原文は、ICRPのサイト から、ダウンロードできます。

ICRPは、震災後の原発事故による日本の非常時に対応して、普段は有償のこの文献を無償で配布しています。無償版には「あまりにも多くのものを失った日本の皆さんのために」と、添え書きがしてあります。 ありがたい。

でも、このありがたい勧告書は、専門性が高くて、一般人には、とっつきにくいです。今の日本が考えるべき情報が満載されているのだけど、今の日本では広く利用知られていない、討論されてない、生かされてない、ようです。 で、自分も専門家ではないのですが、自分も勉強しながら、なんとか普通の人が、わかるように、かいつまんでまとめてみようとおもいたったわけです。 忙しいママにもわかるICRP勧告書のまとめ を、めざします!

で、どんな勧告書かというと、日本語の暫定版の仮題は、「原子力事故又は放射線緊急事態後における長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」ってことなんです。 
小難しいタイトルですね~。 (邦訳が、悪いわけではないです。因みに、原文タイトルは
Application of the Commission's Recommendations to the Protection of Individuals Living in Long Term Contaminated Areas After a Nuclear Accident or a Radiation Emergency です。)

どういうことかっていうと、実は、ICRPは、2007年に、それまでの放射線防護の勧告を大幅に改訂したのです。この最新の2007年度勧告は、Publication 103として、しられています。これも、ICRPのサイトで手にはいります。(全文は有償ですが、一部無償で、ダウンロード可です。)で、今回の勧告書(Publication 111といわれるもの)は、2007年度勧告を 汚染地に長く住むという状況に、どう適用すべきかってことで、書かれたのものなのです。

つまりですね、この勧告書が、原発事故後に無償でいち早く日本のためにと配布された背景には、世界の専門家の間では、日本人が汚染地で長期的に生活しなければならないような状況に陥るだろうと、早い時期から危惧されてたってことがあると思うのです。 この現実と、まず、向き合わないことには、何もはじまりません。

まずは、今回は ここまで。。。 (つづく)


P.S.  ちなみに、ICRPはどういう組織かって疑問に思ってられる方は、お手数ですが、ネットで検索なさってください。 賛否両論ですが、一応、世界的によく知られて、それなりの評価をうけている非営利団体です。原発推進派の組織だと、批判されることも多いようです。 そういう機関ですから、この勧告に、脱原発バイアスが、かかっていることは、ないと考えていいと思います。