8/01/2011

黄金熊からの提案 改訂版

先日の言及した児玉氏(東京大学アイソトープ総合センター長)は、7月27日の衆議院厚生労働委員会の参考人として発言されたなかで、日本の既存の技術を駆使して放射能汚染対策に国を挙げて取り掛かるべきだというような事をおっしゃってました。黄金熊は、大拍手で、まったく同感ですと声をあげたいです。

今日本では、原発を廃止か継続かという選択を含めた長期的なエネルギー政策の問題、原発事故による被害に対する補償の問題、放射被曝の安全基準の問題など、課題は、山ほどあります。どれも、大切な早急に取り組むべき課題です。が、それと同時に(というか、それ以前に)、まずは、やるべきことがあるだろうと思います。ふつうの国民も、そう思っている人が多いのではないのかしら。だから、児玉氏が、自分たちの気持ちを代弁してくれたようなの怒りと訴えに共感しているだとおもいます。その やるべきことというのは、被曝に危険にさらされている国民(特に子供や妊婦)を守るということ、環境汚染への対処です。 

で、 少し前に書いた黄金熊のアイデアを、ちょっと手直してまたここに提案します。


提言:放射物質を生活環境(空気、土壌、河川、海など)から取り除くための除染技術、また、放射性物質の効果的な処理にかかわる技術開発や基礎研究を支援するためにこれまでにない大規模の公的基金(または官民共同で財団)を早急に立ち上げる。 世界に先駆けた除染技術の開発という目標を、かつての米国のアポロ計画のような位置づけをして、これによって日本の技術革新をすすめ、汚染され環境の回復のみならず、国際社会での日本の地位の向上をはかる。

 基金の運用の目的は二つ。 ひとつめは長期的に新しい技術知識の開発をすることです。そのために、放射汚染の解決につながる基礎的研究(または、時間のかかる応用研究)にたいして恒常的に資金を供給する。これまで放射汚染による環境被害についての研究などが、金銭的にも構造的にも十分に支援されてきたとは思えません。この状況をがらりと変え、多くの優秀な人材が放射汚染の解決につながるような研究に携われるようなサポートが新たに必要だと思います。


ふたつめの目的として、短期的に 既存の技術知識の実用化を狙います。そのために、除染のための技術開発コンテストをスポンサーする。ある具体的なゴールと提示して(たとえば、100万ベクトル/㎡のセシウムの汚染された土壌を短期間で1万ベクトル/㎡以下まで落とすなど)、アイデアを、公募する。実用化が期待できそうなものに研究費を援助する。そして一定期間以内に、そのゴールを達成させたグループや個人に賞金をだす。(X Prizeのようなアイデアですが、 競争だけでなく技術革新を促進するためのコラボレーションを支援する。そのコラボレーションを促進するためのプラットフォームも基金の活動として立ち上げる。
 で、黄金熊は、このようなアイデアをアポロ計画のように、国の技術革新の旗印にすれば、いいと思うのです。このような技術開発は対する投資は経済を活発化する役割をはたすことにもなります。日本が放射能除染技術のリーダーとしての地位を確立することが出来れば、国際社会での日本の戦略的な立場が優位になることとおもいます。いろいろなアイデアは、既に、民間でも研究機関でもあります。大企業や有名大学だけではありません。でも、先立つものがないと動けないっていうのも、実情だとおもいます。 だから、そこで基金が必要となるとおもう。


信用問題がありますから、原発村の人たちには、この基金の運営には携わらせない。(でも原発村の学者のかただって、このような基金の支援を受けて、汚染問題を解決するために研究へと転換していただければ、大いに結構です。)
 
放射線汚染の問題と正面から立ち向かうことについては、国民のコンセンサスとサポートを幅広く得られんじゃないかとおもいます。 右よりのひとも、左より のひとも、日本国民は海の幸山の幸豊かな日本の国土から、放射能汚染をなくしたいという思いで、ひとつになれるでしょう。未曾有の危機をチャンスに変えるぐらいの前向きの姿勢で、国を挙げて、除染に取り組み取んでいってほしいです。